オクちゃんの読書日誌 第2回

     柊さんの「癒される場所」

 

 今回取り上げるのは、発売中の「マイペースな君」の作者、

花岡柊さんの作品「癒される場所」である。 

この作品はベリーズカフェ及びカクヨム投稿された

約138,000文字の長編恋愛小説である。

 

  ここは「僕の好きな場所」。LDKマンション。 

玄関先にはギリシア神話にでてくる美少年の名を持つ

「クロッカス」のイラストの額。

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 リビング兼書斎にしている部屋の西南の空を望む窓には

オレンジ色のカーテン。 

 窓辺では観葉植物「ポトス」が葉を伸ばしている。

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 僕は二人分のコーヒーを入れる。 彼女は制作に夢中。

 

  彼女は面長、少し茶色のストレートの髪。 

 彼女の名前はフミ

 

 物語は3年前の9月に始まる。

 

 僕は20才過ぎの大学生。 

 職場のバイト仲間で親しいのは西森と石井。

 

 フミの部屋に行くのはイラストの原画を受け取って、編集者に

届けるためだが、図書館、公園、クラシックのコンサート、

落語の寄席にお供することもある。 食事の支度もする。

 

 フミは4才年上。

 

 彼女は「ペチュニア」という花のイラストを見せる。

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 彼女はキスしたいほど可愛い。 然し、資格があるのは自分ではない。  

 

 僕はバイト先の雑誌社で見た雑誌に出ていたフミのイラストが気に入り、

当時のフミの担当者に仕事場に連れて行って貰う。

 

 そして「後任の橘淳平です

木島史佳です。よろしくね。」となる。

 

 電話がかかってくるがフミは取らない。 

然し、留守電から「史佳?」という声が聞こえると

いそいそと送受話器を耳に当てる。

 

 フミから水の入ったグラスを受け取ろうとして、フミの手に触れる。

フミが急いで手を引っ込め、不安そうな眼をする。

 

 寒い街頭でアンケートのバイトを終えて、フミの部屋へ行くと、

冬の海を見に行きたいと云われる。

 

 不倫相手との話ばかり聞かされる。

 

 フミの妹は両親に可愛がられ、フミは疎外感を味わっていた。

フミ中1の夏休みの家族旅行で、フミは別行動して大騒動。

 

 フミの不倫相手は淳平のバイト先である雑誌社のチーフ。

フミより10才くらい年上。

妻と離婚調停中で、会社のそばのマンションで別居中。

 

 フミが淳平のためにカンパニュラのイラストを描いてくれた。

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 夜、フミの部屋に行くと、「あの人が風邪で寝込んでいる」と

車で出かけるが、「奥さんが来るから帰れと云われた」と

帰ってきた。 淳平は「さっさと別れちゃえ」と云って後悔する。

 

 洗面台の棚に白い錠剤の入った瓶を見つけて、中身を窓から捨てる。

 

 不倫相手の奥さんが妊娠中とのこと。

 

 フミの湯飲みは有田焼でハイビスカスの絵が描かれている。

値段は1万円以上。「粋」を楽しんでいる。

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 「あの人」から留守電が入るが、フミは出ない。

彼が来たら一緒に話を聞いてくれと云う。

彼は妻の妊娠は嘘で「今まで通りで良いだろ」と云う。

フミは「今まで通りって、何? もう、いいよ」と

はねつける。

 

 フミは淳平に云う。

「もう寒さに震える海にわざわざ行くのは嫌。」

「怖い顔で淳平に薬をばら撒かれるのも、

叱られるのも、たくさんだもの」

 

 フミが良く笑うようになった。

 

 フミが旅館一泊の温泉行きを承諾する。

 

 草津温泉で湯もみを見て、湯畑を散策する。

夜は酔いつぶれるが、朝、部屋の露天風呂に一緒に入る。

順番が逆だが、淳平はフミに、初めて「好きだよ」と云う。

 

 妹の陽香(はるか)が同棲していた彼と別れ、仕事もやめたと

フミの部屋に押しかけて来る。

 

 淳平は就職先から内定を貰う。

 

 陽香から妊娠していると聞かされる。

淳平、フミと三人一緒に相手の男に話すと、産んでくれと頼まれる。

 

 フミの同級生の坂口さんから個展を開くよう口説かれる。

淳平がフミのイラストは出来るだけ沢山の人に見て貰うべきと

口添えしたのでフミも受ける。

 

 高校時代の美術の先生、榊先生が登場。

フミがあまり親し気に接するから、淳平の心は穏やかではない。

然し、先生の病気の奥さんの瞳さんがフミの大ファンで、

フミに夫婦の絵を描いてくれと頼んでいたことが分る。

 

 瞳さんはフミに手紙を遺す。 瞳さんは自分が夫やフミに

癒されたように、淳平とフミもお互いが癒しとなるようにと

書いてあった。

              

 

是非、原作を

https://kakuyomu.jp/works/4852201425154928484

で御覧ください